透析患者への投薬ガイドブック

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腎機能低下、腎不全例における薬の適正な投与量をどうやって考える?

1. はじめに

最近では、腎機能低下患者への投与量を知るのに有用な書籍が沢山出ています。
☆透析患者への投薬ガイドブック改訂版
☆腎不全と薬の使い方Q&A―腎不全時の薬物投与一覧
☆腎機能別薬剤使用マニュアル改訂2版
☆CKD診療ガイドの付表(元データは、腎臓内科レジデントマニュアル改訂第4 版,2007,診断と治療社)

 これらを探せば投与量の確認は可能です。ですが、これらは一体何を根拠に投与量の推奨をしているのでしょうか?これらに載っていない薬剤の場合どのように調査したらいいでしょうか?

 まずkeyになるのは尿中未変化体排泄率です。これが高いということは、つまり腎排泄型の薬物であり、腎不全患者では蓄積するため、減量すべき薬剤だと考えられます。例えば、腎障害患者への投与量を予測するGiusti法では、薬物の尿中未変化体排泄率と患者のクレアチニンクリアランスから投与補正指数を計算しています。
 ただ添付文書に書かれているのは活性をもたない代謝物の尿中排泄率を含んだ『尿中回収率』であることが多く、投与設計には全く役に立ちません(日本の添付文書は疑ってかかるのが基本です)。活性のない代謝物がいくら蓄積しても中毒性の副作用は起こらないからです。

 また透析で除去されるか否かは、蛋白結合率(90%以上は除去されにくい)と分布容積(2L/kg以上は除去されにくい)が大きく関与しています。透析は、細胞外液の中を浄化するだけですから組織に移行しやすい薬物は、透析後に組織から再分布してしまいます。逆に腎排泄型であっても、透析で除去されやすい薬物は、透析後に補充投与する必要があるものもあります。
 このように腎不全でも透析導入前と導入後では、基本的に推奨投与量は異なるものだということを理解してください。


薬剤師が腎機能低下、腎不全例における薬物療法に関わるためのポイント

 まず、腎機能低下例に使用できる、使用できない薬剤の種類を知ることが重要です。それから個々の薬剤の性状を知る、患者さんの腎機能を評価するという流れになるでしょう。
 すべての薬物の中で腎排泄型の薬物は1-2割くらいしかありませんし、腎排泄性薬物でも副作用事例が多く、厳密な投与設計を必要とするものはそれほど多くはありません。腎排泄性薬物でも安全域の広い薬物には、セフェム系・ペニシリン系抗生物質やACE阻害薬などがあります。
 全ての薬剤について腎排泄型か否かを記憶するのは、不可能ですから、大まかに掴んでおくといいでしょう。
 

 日本腎と薬剤研究会が会員向けに公表している資料を示しておきます。(今はリンクが切れているみたいだけど)

「腎機能によって至適投与量が変化しない薬物」*日本腎と薬剤研究会 会員向けNewsから転載*

・向精神薬
(例外:ガバペンチン、ミルナシプラン、リチウム、アマンタジン、プラミペキソール、チアプリド、スルピリド、バクロフェンなど;ミダゾラム、モルヒネは活性を持つ抱合体が蓄積するため要注意)
・NSAIDs
(ただし腎障害に注意すること。添付文書上禁忌でもある。鎮痛解熱剤のアセトアミノフェンはNSAIDsではないため腎障害、胃障害、抗血小板作用による易出血性はない。腎排泄型でもない。しかし抱合体が蓄積し腸肝循環するため末期腎不全では減量が必要)
・Ca拮抗薬
・α遮断薬
・利尿薬
(アセタゾラミドは例外で常用量を末期腎不全に用いると容易に精神錯乱をきたす。スピロノラクトンは高カリウム血症に要注意。ループ利尿薬は尿中排泄型薬物であるが腎不全では大量投与しないと効果ない。)
・アンジオテンシン?受容体拮抗薬
・テトラサイクリン系、マクロライド系、リンコマイシン系、クロラムフェニコール
・スタチン系高脂血症用剤(フィブラート系との併用は禁忌。横紋筋融解症に注意する)
・プロトンポンプ阻害薬
・ステロイドホルモン
・脂溶性ビタミン
・プロスタグランディン製剤


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いまは絶版ですが、個人的にはお気に入り。データが少ない分、総論として「プロプラノロールとアテノロールの違いから知る薬物動態」という導入部分があり、また「腎不全の合併症に用いる薬物」というところで透析患者におきる合併症と治療薬がまとめてあり、初心者にはわかりやすくて良いです。
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とても勉強になりますが、、まだ全部通読できていません!
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ちなみに、透析患者に対する投薬ガイドラインは、白鷺病院薬剤科のサイトで医療従事者向けに無料公開されております。
感謝!→Link
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